わたくし若かりし頃にミッション車の免許を取りました。ミッション車すごい。めっちゃかっこいい。今でも乗れたなら盛大に自慢できたでしょう。
ですが、ほとんど乗らずさっさとペーパードライバーになってしまいました。
我が家は私が高校生の頃からの父子家庭で、父は(特に私が若い頃は)さも昭和に生きたといった、昔ながらの厳格な父でした。私も父もコミュニケーションがうまくはなく、言いたいことがたくさん言えるような仲になったのは本当にずっとずっと後、父が晩年の頃です。晩年といってもしんみりしてしまう、ほんとに近年のことです。
で、免許取りたての昔々の私は、父に遠慮をして車を貸してくださいと言えず、結局乗れなくなってしまったのでした。とってももったいなかったと思いますが、済んでしまったことは仕方がない!
そして私は公共交通機関での移動が大好き人間になりました。
本題です。そんなこんなでどうしても移動が電車やバスなのですが、高速バスは便利で大好きです。黙って乗っているだけで遠方に、しかもダイレクトに運んでいただけまして、ありがとうございます!
そんなバスを利用して、2024年5月末、おひとりさまは城崎マリンワールドを目指しました。
城崎マリンワールドは大変有名な水族館で、なんと50もの言葉を解する天才トドのハマさんがいたり、見どころたくさんの場所ですが、そのときの私の一番のお目当ては彼女でした。
数年前、鳥取の漁港にて保護されたアザラシ、ととりちゃん……!
(以下は保護された時のニュースです、もちろん名前もついていない)
彼女は保護されたあと、城崎マリンワールドにて療養し、そのままマリンワールド住まいのアイドルゴマフアザラシとなったようです。鳥取で保護されたからととりちゃんなんでしょうか、なんてかわいい名前! つけた方天才です。待っててととりちゃん! おひとりさまが今向かいます!
あと、こちらには同じくゴマフアザラシの、はるか遠くは秋田県男鹿水族館出身の、ジェットくんという男の子もいます。ジェットくんは親切にも、額に白い筋状の大きなマークが入っていて、ぱっと見てすぐわかる親切アザラシ! 素晴らしい。素人の私にでも見つけられるはずです、きっと。
現地には大阪梅田からバスで向かいます。あらかじめ往復のバス+入場券付きのチケットを購入しておきました! おひとりさまは自分一人用ツアーの手配もぬかりありません。
↓城崎マリンきっぷ
平日だったためバスはおそれおののくほどすいていました。むしろ京都あたりであふれかえっているオーバーツーリズムの観光客様方はこちらにこそ乗るべきだと思いました。
高速バスはご機嫌に出発し、私に兵庫県のだだっ広さを思い知らしめながら道のりを走破します。地図アプリをちらちら見ながら乗車しましたが、だいぶ来たと思ってもまだ半分くらい(丹波篠山のへん)だったりして……兵庫県、長い。幅広い。よく考えたら兵庫県だけで瀬戸内海から日本海まで貫いてるんですよね……
↓国土地理院 都道府県別面積 兵庫県は12位! 関西で一番広い!
https://www.gsi.go.jp/common/000077733.pdf
車窓から表を眺めているだけで随分と多くの発見があります。兵庫県が大きいこともそうですし、途中で見た川の流れが初めて見るほど緩やかでどちらへ向いて流れているかわからないこと、また広大な田んぼ、古く大きな家、昔から穀倉地帯として豊かだっただろうと想像できること。バスは電車より速度が遅いので、その分観察できることも多いです。
電車は電車で大好きなのですが、バスはこういうところがいいなと思います。
高速バスにつきものの、道の駅やパーキングエリアでのトイレ休憩の機会では必ず降りることにしています。知らない土地に降り立つ貴重なチャンスです。ほんの少しでも訪れたことのない場所の空気を感じられるのはいいものです。
遠くに行っていつも思うのは、空が広いなあということ。住宅街に暮らしていますがどうしても、見える空は日々狭いです。その土地に田んぼが広がっているだけで、本当に空が広い。いや、住まいの近くに田んぼ、たくさんありますが、住宅街の間にうずもれていますので……窮屈そうで肩身の狭そうな田んぼなので……
さてバスは城崎駅前を通り過ぎてマリンワールドまで直行してくれます(多分乗り継がないといけない便もある)
無事到着し、わくわくしながら降りるとそこには……
海だやったー! 海、あまり縁がないので(たまに見るのは南港あたりから臨む大阪湾……)きれいな海岸はテンションが上がりますね! 特に日本海はほんの数度しか見た覚えがありません。これで三回目くらい? 瀬戸内海や太平洋とまた違うのでしょうか。獲れるお魚は違うのでしょうか。冬は荒れると聞きますがほんとでしょうか。印象としては、瀬戸内海よりも青が冷めていて黒いイメージです。でもこうしてみると別に変わりないような。
そして近くのお土産屋さんか何かの軒先にはツバメが巣を作っていました。ツバメかわいい。
入る前からテンションをマックスにもっていくのはいつものことです。
2に続きます。